日曜日

Stealing Beauty

 

コンバンハ。
一人でおでん食べながら、お酒飲みながらコタツにいるんだけど、
このままだと ささやかな幸福で寝そうなの。
お酒の力にたよりながら、鼻歌まじりにぐだぐだと書きたいと思います。

そういえば、今日は昔の恋人にちらっと会いました。
恋愛している間は、本当に最低な時間と最低な人間だったはずなのに、
その最低な時間を共に過ごしたせいなのか、
わたしたちには、わたしたちにしか存在しない
友情と絆が出来上がってしまっていたのです。
これは非常に困った問題だけど、
きっと一生変わらない特別な関係であることに違いはない。

わたしはね、君が古着屋さんで働いていて
貧乏でゴキブリがたくさん出たあのお部屋も、
恐い入れ墨のお兄さんと住んでいた、
あのスプリンクラーが反応しやすいお部屋も、
夜のお店で成功して手に入れた
コンクリートの打ち壁のデザイナーズマンションのお部屋まで知っているし、
社長にまで上り詰めて自由が丘の一戸建てのお家だって知っているの。
 
ダサい女(私的に)との同棲部屋だって、近所の銭湯だって、記憶に残っている。
いろんな思い出があったはずなのに、
思い出せるのは部屋の間取りだったり、
ちくちく刺さるドレッドヘアーだったり、
変な口癖だったり、それだけなんて。
 
 
厳ついヘアースタイルに高級ブランドで固めたファッションをして、強面な雰囲気のくせに、
両手で携帯を打つ姿はやっぱりゲイっぽくて、キュートだった。
変わらないでね。古着屋さんに成る夢、私が変わりに叶えるね。


「魅せられて」
 
 
 
 
 
登場人物のほとんどが詩人、彫刻家などの芸術家で、
わたしたちとはひと味もふた味も違う優雅な生活をしていて、
お酒飲んで酔っ払ってマリファナでラリったりして。
 
お金持ちのブルジョワ的な生活には、
ちょっと驚かされるし遠い世界にも感じるけど、
イタリアの太陽、粒子の粗いような映像、
トスカーナの美しい景色とけだるい雰囲気に色々麻痺させられちゃう。
 
純真な青年オズヴァルドとルーシーの互いに始めての性体験はとてもすてきだった。
さて、いよいよという時に「君も手伝って」という
オズヴァルドの口から素直に出てくる言葉もキュート。
こんな丁寧で可愛くて、美しいセックスシーン初めて見た。
何度でも観たい。
 
 
光の使い方がとても素敵で、天国みたいなシーンが何個もあるの。

どんな男だって良い女には惹かれるもんだし、
若さというのは特権的な魅力がある。
生と死、もしくは性と詩が対比されながら展開されていくストーリーは
気怠いけど、飽きさせない。
 
ベルナルドベルトルッチの映像は
自分がレズビアンな気分になっちゃうくらい
素敵な性を覗き見することができます。



 

 

わたしは学校を早退ばかりしていた。
理由の八割は天気がとても良かったから。
そして手に入れた自由な時間
を景色を眺めたり車の音を聞いたり空を眺めたり、しっかり味わいたかった
そして記念にアイスを買ってこっそり帰って、ベットの中にもぐって寝たふり。
 

あの頃のわたしは、とにかく「好き」がよくわからなくて、焦っていた。
自分はなにが出来るかとか、なにが向いているか、なにが合っているか とか。
そんな自分に嫌気がさして、死にたくなったこともイッパイあった。

お洋服を選ぶ時も困ったもんだったし、
恋愛の仕方も分からなかったので、
いろんなお洋服を着たし、
いろんな男の子のことを好きになってみた。
 
たくさんのことを教えてもらいました。
自分に似合うコトやもの、音楽やファッションのこと。
そして映画のことも。


それらの全て、無駄ではないと思えるようになった。
人より心は年をとってしまうし、たくさん傷ついたけど
その先には私にしかない世界が在った。
わたしは今、揺るがない「好き」がある。