金曜日

私と宇宙と新世界

 

正直に言ってしまえば、私は宇宙に対して
興味が一ミリもない。憧れもない。
 
約束も守れない近未来とか宇宙とか
「未来系」に対して、信用をしていなかった。

それは水曜日の出来事だった。水曜日は私のお休みの日。
 
 

「ゼロクラビティ」
 
 
映画から「死」を感じるなんて、いや、映画に「殺されそう」だと感じたのは、
どんなに久しぶりだったことか。
 
映画館全体が酸素不足の様な気がして、
呼吸が浅くなって、そしてめまいがして、
走馬灯が描かれて、とうとう私は死ぬ。
その瞬間「私」はこの世界から消えてしまう。
そう考えると、とっても恐ろしくて涙が溢れた。
 
 
それは、「死にたい」とか「死んでみたい」とか
そういった願望じゃなくて「リアルな死」だった。
 
昔、小さい頃に家族が死ぬことを想像して、
こっそりお布団で泣いていたような、
初めて自分を傷つける時のような、あのナイーブな重い感情。
 
 
きっと普通の人はこの映画で「生きる希望」を感じるのかもしれないけど
私は「死んで絶望」を感じた映画だった。
 
今はまだ死ねないと思ったのでもう少し頑張って生きたいと思います。
(結局、希望なんだよね)

わたしの「未来系」に対する概念を覆された。
彼らを少しだけ愛して、信じようと思った。3Dへの希望も生まれた。


 


「愛の新世界」
 
 
 
日本にこんなガールズムービーがあるなんて初めて知りました。
日本映画初のヘア・ヌードが話題になった、鈴木砂羽衝撃のデビュー作品です。
日本のサブカル映画の痛快傑作。

監督は高橋伴明で、写真は荒木経惟という奇跡のコラボレーション。
 原作「愛の新世界」は島本慶が風俗ルポの取材の場で出会った
64人の風俗嬢のナマの声を綴ったエッセイに
22歳のSMの女王様を被写体とした荒木経惟の 写真が彩られたルポ写真集。
これを聞いただけでゾクッとわくわくするね。

映像はとても爽やかだった。
爽やかという言葉はオカシイかな?
いや、でもでも、社会の裏側を描いているはずなのに、
笑いと美とおまけにガーリー精神までも詰まっていて、
それでもって砂羽さんはビッチなくせに底抜けに明るいから、
きっとこれを人は「爽やか」と呼ぶのだと思う。

人の「陽」は愛だけじゃない。

映画って自由だし、人生だって自由だ。ほんとうは、なんでもアリ。