火曜日

March Comes in Like a Lion

 


わたしには好きな女の人がいて、その女の人には会ったことはないけど、何年か前に偶然彼女のtumblrに出会って、彼女が好きなモノ全てがタイプで衝撃的で、そんな彼女は映画関係のお仕事をしているらしく、なんだか異様に彼女のことが好きになっちゃったのよ。本来、私は他人をそんなにリスペクトする人間ではないはずだったのに、私は彼女のファンになっていたのよ。以前、彼女に1つだけ質問したことがあった。「好きな映画はなんですか」という質問だった。映画好きな人に向かってこの質問をするなんて、今思うと小っ恥ずかしい言動だったりするんだけど、彼女はこう答えてくれた。「三月のライオン」です。それからというもの、私はいつも「三月のライオン」という映画を求めていたんだけど、ナニセ田舎に住んでいるもんだから、なかなか出会えず。そうこうするうちにお仕事が始まって、今まで存在していた映画を観る心の余裕だって、時間だって、気付いたら少なくなっちゃって。映画と遠距離恋愛が始まった感じがして、私、すごい寂しかったんだと思う。そんな時、ふっとこの作品が目の前に現れてくれたもんだから、すごいよね。すごいでしょ?わたしは体育座りで仕事前の朝五時にベッドの上で朝食もぐもぐしながら観たんだ。「三月はライオンのようにやって来て、子羊のように去っていく」っていうのが諺の全部。一番引っ掛かったのは花の季節の前には嵐があるってことなんだ。一年の中の三月じゃなくて、人間の一生の中の三月ってとらえて欲しい。(映画『三月のライオン』DVDパッケージより)映像の中で、色々なモノが壊れていて、破壊されていた。凍っていたアイスキャンディーも溶けていった。高いヒールで かぽかぽ 歩く。 大きいトランクを ずるずる ひきずる。 愛のためならなんだって。小さくて細い女の子は何倍も大きく強がっている自分と似ていた。愛しかった。綺麗だった。映像が小説のようだった。色々な映画のシーンを思い出させてくれたけど、それは私の妄想ということにしておきましょうかね。私は四月生まれだよ。


氷の季節と、花の季節の間に、 三月がある。 三月は、嵐の季節……
 March comes in like a lion.